振袖を着なかった話
日本酒をお猪口でちびちびとやりながらコタツで温もっていると、ああ大人になったんだなぁと妙な実感に包まれる。冷酒派。
長須マコトです。東北の片田舎でひっそりと大学生をやっています。
このたびめでたく成人を迎えまして。でもタイトルの通り、振袖着ませんでした。
自分、一人娘なんですよね。従兄たちも自分より一回り以上離れた男三兄弟で、あと一応異母兄がひとり。会ったことないけど。
だから両親も祖母も振袖姿をそれこそ生まれた時から楽しみにしてくれていたみたいで、そこに関して申し訳ない気持ちが無いといったら嘘になるけど。親不孝モンだなぁとは思う、後悔は微塵もしていない。
成人の振袖って、女性の一生モノの晴れ姿として一般的に捉えられてるじゃないですか。だから両親も力を入れるんだろうし、本人もすごく楽しみにしていることが多い。
だから、余計に嫌だなぁと思ってしまった。自分の人生の節目に、現実を思い知らされるのもましてや形に残るのなんかものすごく嫌だった。嫌なもんは仕方ないよね。
Xジェンダーというものがあります。
ざっくり言ってしまえば、自己の性に対する認識が男性と女性のどちらにも固定されていない人のこと。この中だけでもめちゃくちゃに多様性があるので中々難しいけれど、ぼくは「身体の性別に違和感があり、逆の性になりたいわけでもない」タイプ。ややこしい。
加えてぼくの場合、恋愛対象・性愛対象も色々。ああややこしい。
個人的には自ら細分化してラベリングする必要もないかなと思っているから正直なんでもいいっちゃいいんだけど、違和感が「ある」のは事実なので、どうしたもんかという今日この頃。
ぼくいまだに信じられない気持ちでいるんですけど、世の中の大多数の人って自分の性別に違和感もってないって本当?本当に本当?
大人になって以前よりは両親と腹を割って話せるようになってきたんだけど、少なくともうちの両親は一度も感じたことが無いそうです。50年とか生きてるのに。
そりゃあ20年かそこらしか生きてない娘が突然性別違和とか言い出したらびっくりするし、勘違いじゃない?とか思い込みじゃない?とか悪気なく言ってしまうよねって思った。わかる。
w a k a r u t y
月経のたびの嫌悪感とかふとした瞬間の気持ち悪さとか、いっそ全部勘違いだったらいいのにね。
何が言いたいかというと長須は長須です。長須はいます、よろしくおねがいします。
おしまい